浴衣は着る機会が限られますし、1回着るごとに洗濯しなくても大丈夫です。
着終わったら着物用のハンガーに吊るし風通しのいいところで陰干しするだけでOK。
しかし汗をかいて汗ジミができたり、泥はねで汚れたりした場合は洗濯しましょう。
クリーニングに出すという方法もありますが、自宅でも洗えます。自宅で浴衣を洗濯する方法と、注意点を紹介します。
まずは洗濯表示の確認と洗濯の前準備を
浴衣は自宅でも洗えますが、中には色落ちしたり家庭用洗濯機では洗えないものもあります。
洗濯機OKな浴衣なら問題ありませんが、NGな場合は着られなくなってしまう可能性があるので、必ず事前に洗濯表示の確認をしておきましょう!
洗濯表示マークに、水洗いしてもいいと書いてあったら洗えますが、温度設定などが書いてある場合は温度にも注意しなければいけません。
それでは、洗濯前の確認とやっておくべき準備について見ていきましょう。
洗濯機マークの表示確認
浴衣の表示を確認するときに、どのマークにどんな意味があるのかを知っておくことが大切です。
まずは水洗いしていいかどうかの確認です。
従来の洗濯表示は洗濯機のマークでしたが、2016年12月から世界共通マークに変わっています。
従来の洗濯機マークは、洗濯おけマークに変わっています。
文字も水洗い不可の場合は、選択おけマークにx印が付いているのでこの場合はクリーニングに出しましょう。
洗濯おけマークに何もついていなければ水洗いできるということです。
手洗いの場合は洗濯おけに手のマークが書いてあるので、洗濯機ではなく手洗いをしましょう。
洗濯おけだけの場合は標準コース、洗濯おけの下に1本線がある場合は弱で、2本線がある場合はソフトコースで洗うという意味です。
水温に指定がある場合は、おけの中に数字が書いてあるのでそれに従いましょう。
書いていない場合は特に水温していはありません。洗濯表示マークの確認をしても、意味がよくわからない場合はアプリでも確認できます。
使用洗剤の確認
浴衣を洗うときは使用する洗剤の確認も大切です。
これも洗濯表示を見て判断することができます。
洗濯機で洗っていいという表示がある前提で、洗濯おけの下に線がないものと1本線のモノについては普通の洗剤の使用が可能です。
2本線と手洗いマークが付いている場合はおしゃれ着用の洗剤を使いましょう。
汗ジミや泥はねが洗剤だけでは落ちないようなときに、漂白剤を使うかどうかの判断で迷うことがあります。
この場合は漂白剤の表示も確認してください。
漂白剤は三角マークで表示されます。
三角のみだけなら塩素系と酸素系の両方の使用が可能です。
三角の中に斜めの2本線がある場合は、酸素系漂白剤は使えますが塩素系漂白剤は使えないという意味です。
三角にバツ印が付いているなら、塩素系も酸素系も漂白剤は使えないという意味です。
色落ちしないか確認
洗濯機で洗えると確認できても、浴衣によっては色落ちしてしまうものがあります。
色落ちすると色あせたり、他の部分に色がついてしまったりするので着られなくなってしまう可能性があります。
浴衣を専門店でクリーニングも可能なところなら、染め直しもできますが手間と費用がかかりますし、完全に元通りになるとは限りません。
色落ち確認はとても重要です。
やり方はとても簡単です、まず白い布を用意します。
白い布に洗剤をつけて、浴衣の柄の部分を軽くこすります。
このときあまり目立たないところを選ぶのもポイントです。
白い布に柄の色が移ったら、色落ちしているという証拠です。
このまま洗ってしまうと確実に色落ちしますし、着られなくなってしまう可能性があるので、専門店に相談することをおすすめします。
色移りがなければ、洗濯機で洗っても色落ちする心配はありません。
シミがついている場合は前処理を
気づかない間に浴衣にシミが付いてしまうことがあります。
シミの種類によっては洗剤だけでは落とせないので、前処理をしましょう。
浴衣につく可能性のあるシミは、ファンデーション、泥はね、食べこぼしなどです。
それぞれに前処理が異なります。
ファンデーションやメイク汚れは、クレンジングオイルを使いましょう。
使い古しの歯ブラシなどにクレンジングオイルをつけて優しくこすると意外にすんなり落とせます。
後はクレンジングオイルをつけた部分を軽くすすいでおきましょう。
ブラシでこする時は強くこすらず、優しく同じ方向にします。
泥はねは泥汚れをしっかりと乾かしてから、歯ブラシで大まかな泥を落としておきます。
その後で固形石鹸を付けブラシで優しく同じ方向にこすり、後は洗剤で洗います。
食べこぼしは食器を洗う中性洗剤を使います。
歯ブラシに中性洗剤をつけて、優しく同じ方向にこすってからすすぐと大体の汚れは落とせます。
ただし時間が経ってしまうと落なくなる可能性があるので、すぐに処理して洗濯することが大切です。
前処理でも落とせない場合は、クリーニングに出しましょう。
正しい浴衣の洗濯方法
浴衣はたたんでから洗う
浴衣を洗う前はたたんでおきます。
たたみ方にもコツがあり、袖たたみという方法でたたみます。
1.左右の肩山と袖山を合わせます
2.肩山と袖山を重ねます
3.この状態で細長くなるので、後は洗濯ネットの大きさに合わせ屏風たたみにします
4.このとき汚れやすい裾を一番外側にしておきます
5.後は洗濯表示に従い洗濯機で洗います(手洗い表示の場合は手洗いで!)
6.脱水はシワの原因になるので短めにしておきます
汚れやすい裾は外側に
洗濯機で洗っていい浴衣なら、丁寧にたたんで洗濯ネットに入れれば洗えます。
注意していても裾は汚れやすいので、見えなくても土ホコリなどがついている可能性があるので、一番外側に来るようたたみましょう。
念のためたたむ前に、浴衣全体を振ってホコリを落としておきます。
裾を外側に来るよう屏風たたみにしたら、洗濯ネットに入れます。後は洗濯表示に従い、コースを設定して洗うだけです。
脱水は長めに実施
動画ではシワになるので脱水を短めにすると説明していますが、短すぎると水分が多く乾くのに時間がかかります。
目安は弱で1分程度ですが、シワになりにくい素材なら少し長めにしてもいいでしょう。
のりづけをして浴衣をパリっと仕上げたい場合は、脱水前に浴衣を取り出しておきます。
一番低い水位に設定し脱水時間を設定したら、スタートを押す前にのり剤を入れます。
後は浴衣をいれてスイッチを押すだけで、のりづけされるので乾くとパリっと仕上がります。
アイロンがけをする場合は、アイロンOKかどうかも確認しておくといいでしょう。
アイロンも洗濯表示で確認できます。アイロンマークにバツ印が付いていなければアイロンOKという意味ですがバツ印がついているとNGです。
アイロンマークの中に黒丸が3つなら200度まで、黒丸2つなら150度まで、黒丸1つなら110までOKという意味です。
浴衣の干し方
浴衣は干し方にもコツがあります。
着物用ハンガーがあればそれを使いますが、ない場合は物干し竿を使って干します。
いずれの場合もポイントはありますから、干すときに注意すべきことを紹介します。
日陰でさお干し
浴衣用ハンガーがあれば、ハンガーにかけ日陰に干しておきます。
日に当てると色あせするので必ず日陰干しをしてください。
着物用ハンガーがない場合は、物干し竿を使います。
ただし取り外しできるモノの方が便利ですし、外に置きっぱなしの物干し竿は汚れているので、それを使うなら干す前に綺麗に拭いておきましょう。
物干し竿を外すのって意外に面倒ですから、突っ張り棒で代用してもいいでしょう。
ただし突っ張り棒は、浴衣の両袖を広げて干せるだけの長さが必要です。
長さに余裕のある棒で、浴衣をかけても壊れない強度があればなんでもOKです。
浴衣を棒に通したらそれを干すために、物干し竿にS字フックを2個取り付けておきます。
棒をS字フックにかければ、着物ハンガーがなくても浴衣を干せます。
棒に通すときは、肩と袖のラインが直線になるよう整えることが大切です。
ずれてしまうと型崩れの原因になったり、変なシワがついてしまうので注意してください。
棒の長さが足りなくて袖にシワが寄るとこれもシワの原因になるので、必ずピンと張った状態で干しましょう。
日が当たる時間帯を避け日陰のときに干すのもポイントです。
2つ折りにしてさおにかける
ベランダで干すような場合や、物干し竿の高さがあまり高くない場合は、浴衣を干すと裾が地面について汚れてしまうことがあります。
干す場所の高さが足りない場合は、2つ降りにして物干し竿や突っ張り棒にかけましょう。
2つ折りにする際もコツがあります。
まず浴衣の前側が上になるように、腰のあたりを目安に2つに折ります。
これなら裾が地面について汚れる心配はありません。
ただしこのままだと袖がダランと垂れ下がった状態です。型崩れの原因となるので、袖を裾の部分にピンチで止めておきましょう。
このときハンガーを袖に入れておきます。
広げて干すと浴衣の重さで袖も伸びますが、2つ折りだととそれができません。
ハンガーの重みで袖がピンと張るようにするのです。
ハンガーは袖に2本使い、衿の部分にも入れておきます。
こうすれば着物用ハンガーにかけて干したときのように綺麗に干せます。
型くずれするので、乾燥機の使用はNG
浴衣に表示を見て家庭用洗濯機でも洗えると書いてあったら、クリーニングに出す手間も省けますし、干し方も工夫すれば対応できるので自宅で浴衣が洗えます。
これなら気軽ですし、いつも綺麗な状態で浴衣が着られそうですね。
気軽に洗えるので、洗う頻度が多くなると乾かす時間を短縮するために、乾燥機を使いたくなるかもしれません。
洗濯機が大丈夫なら乾燥機にも耐えられそうなイメージですが…浴衣に乾燥機はNGです。
型崩れの原因になりますし、生地によっては縮んでしまい着られなくなる可能性があります。
まとめ
生地や染料による違いはあるものの、最近の浴衣は家庭用洗濯機で洗えるものも増えています。
自宅で洗えればクリーニングに出さなくていいし、お手入れも楽です。ただし洗濯機で洗えるとしても、浴衣はデリケートです。
洗い方や干し方にもコツがあるので、細心の注意を払って扱ってくださいね。
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